旅行大嫌いが旅行好きに変わるきっかけ

要約

自身の体験を元に、旅行が苦手なHSP(高感受性人間)でも、適切な対策と理解のある旅行相手を選ぶことで旅行を楽しむことが可能なことを紹介しています。実践している旅行前のチェックリストは、リラックスできる宿選びと睡眠、休暇の確保、移動時の注意、旅行後の十分な休息時間などを紹介し、一緒に旅行する相手選びの失敗例を述べています。

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HSPは旅行が苦手あるあるに漏れず、自分も旅行が苦手でした。

苦手というよりも大嫌いのレベルで、修学旅行は卒業前の最大の苦行でしかなかった思い出。

でもある時、親しい友人と旅行してみて気付いたのです。

旅行が嫌いなのではなく、旅行中にひとりの時間が作れないのがつらかったのだと。

知らない場所を訪れる不安もありますが

それよりも、ひとりぼっちになれる時間を作るのが難しいことが本当にしんどい。

不安の要素を分けて考えることができたとき「旅」が苦手なわけではないと気付きました。

疲れたらひとりになりたいのはいつものことです。

社員旅行のようなツアー旅行は今でも参加を控えますが、個人旅行はひとりも友人と一緒も大好きです。

先日、自分がHSPを知ってから初めての旅行を相方さんと共にして、かつて旅行が苦手だった時のことを思い出しました。

HSPという言葉を知り意識するずっと前から、ちゃんと自分の疲れやすさや不安になりがちな部分への旅対策ができていたことに気付きました。

対策次第で生きづらさは減らせることを再確認した不思議な旅でした。

旅行の準備。旅行のあとは引きこもりたいから念入りに。

HSPを知って色々と気付き始めたは最近ですが、それ以前から不眠や激しく疲弊する体質なことは自覚していたので、旅行前の準備は念入りです。

経験上、一番力を入れるのは不眠対策とスケジュール。

この準備をしくじると旅行は過酷な苦行となり、帰宅後も引きづります。

自分が行っている旅準備と経験を紹介しますが、体当たりしがちで失敗から試行錯誤してきたHSPっぽい人の一意見として参考になればと思います。

現地の情報収集とホテル選びからが不眠対策

ネットで事前に情報収集して、繁華街や駅・空港近辺をなるべく避けて、少し離れた静かで落ち着いた環境のホテルを選びます。

地方ならすぐに見つかりますが、ホテルが乱立するエリアなら利便性や最低価格の誘惑を堪えてでも、快適さを最優先して少し離れた場所を選びます。

例えば、はしゃいだサークル集団が夜中に向かいのホテルで窓を開けて騒いで、あろうことか当時の同行者に窓越しに声をかけてきた経験から、ひとりで宿泊するときは隣接するホテルとの距離感と価格帯に気を付けて選んでいます。

旅行先のホテルや移動中の飛行機では眠れないので、旅行前に必ずかかりつけ医に睡眠薬を処方してもらっています。

普段から不眠はあるので、いつも服用している安心して使えるものを用意するのですが、自分にとって旅行前にかかりつけ医に行くのはお守りのようなもので、素直に旅行に行くと伝えると先生も楽しんでおいでと言ってくれて、ただそれだけでなんとなく安心します。

旅行日程は繁忙期を避ける

オフシーズンに旅程を組むのは人混みを避けるためだけでなく、オフシーズン価格の方がお得でホテル側も融通を効かせてくれるというメリットがあります。

元気なお子様連れの宿泊する部屋と上下・隣り合わせになる確率も減り、困ったことがあれば事情を伝えると空き部屋へ移動させてもらえる可能性もあります。

ローカル地域内の移動手段

現地での移動の乗り継ぎや土地勘に少しでも不安を感じたら、割高でもタクシーやガイドを手配します。

地方の観光マップ図の距離感はかなり信用できません。 Googleさんで必ず確認します。

5分の距離と20分の距離が同じ尺度で描かれていて、うっかり徒歩を選んで後悔することは良くあります。

海外なら尚更、迷わず車をチャーターして言語が不安なら日本語で対応してくれる人を選びます。

ちなみに、海外ではホテルに日本語の話せるスタッフを見つけて、チェックイン時に少し会話しておくと想定外のことが起きたときの安心感を得られます。

スマホで翻訳できる時代、大抵は何とかなりそうですが、必要な情報が何か分からない様な混乱した状況では人と慣れた言語に安心します。

そんな状況想像できない。と思っていましたが、旅行中の津波警報なんて予想もしていないことが起きたのです。このサイレン何?さっきまで人で溢れていた通りが閑散として「避難しろ」ってどこに!?これからどうすれば…と頭が真っ白になってとりあえずホテルに戻った時、フロントスタッフの方が日本語で状況を説明してくれたのは本当に嬉しかった思い出があります。

休暇を旅行で使い切らない

そして一番大切にしているのは、旅行から帰宅後に疲れた身体を回復させるための休暇を確保しておくこと。

旅行中は楽しくても、帰路に就くと疲労が溢れ出して帰宅する頃にはぐったりします。

何もする気になれません。1日か2日はひとりで疲れを消化する時間を必ず用意しています。

個人的には一泊二日の旅行なら、4日以上の連休を必ず確保します。

帰宅して次の日すぐに仕事をしなければならない様ならその旅行は諦めます。

帰宅後のひとりの時間を確保しておくだけで、旅行中に蓄積する不安と疲労にも少し余裕が持てて純粋に旅行を楽しめています。

一緒に旅する相手も重要

ここまでの準備でひとりでも旅行できるのですが、いつも一人とは限りません。

一緒に旅する相手には、自分が疲れやすく不安になりやすいことを知っている人、理解してくれている人と決めています。

旅行慣れした親しい友人が旅の友なら、さらに安心です。

気心の知れた友人ならば、ある程度一緒に行動した後はそれぞれの趣味に走れます。

もっとショッピングがしたい人、ハイキングやアクティビティがしたい人、宿でのんびりしたい人(自分)

それぞれ単独行動をすることもあれば、宿で一人で過ごし帰りを待つ事もあります。

じゃあ、昼には合流して一緒に遅めのランチを食べよう!となります。

それぞれ別に過ごした時間のお土産話で食事も盛り上がります。

「良さそうなところを見つけたから明日は一緒に行ってみよう!」みたいな展開も、旅の醍醐味です。

お互いに疲れやすい友人だったら、予定を詰め込まずに一旦ホテルに戻り一息つく時間を予定に組込みます。

ルートは宿を起点に行きたいエリアを分けて、一度宿に戻ってから別のエリアへ移動する様に行動します。

午前に1つの予定と午後は未定としてその日の体力と気力次第で変更できる様にしたり、

夕食前に宿に戻ってシャワーを浴びて着替えてから夜の街に繰り出すのも好きなプランです。

朝に出て、すべての目的地を制覇して夜まで宿へ帰れないようなタフなスケジュールは組みません。たとえ一泊の旅行だとしても。

というか、無理です。疲れすぎて旅行を楽しめません。

ハードにスケジュールを組む友人と旅行をした時、限界がきて放心状態になり途中ギブアップしてスケジュールから離脱しました。その時は3人の旅行で、同じく途中ギブアップした友人と共に改めて同じ場所へスローな旅行の計画を組み、2度目の旅行をしました。

今では素敵な思い出ですが、同じペースで行動できたり、時には別行動が取れる人を旅の友に選ぶのはとても大切です。

タフなスケジュールで常に一緒に行動を共にしなければならない相手との旅行しか知らなければ、今もきっと旅行が嫌いなままだったと思います。

考えてみれば、当時旅行の楽しさを教えてくれたのは、旅行慣れした友人や現地に詳しい知人、現地の知人たち。

人に恵まれたおかげで、旅行嫌いが旅行好きになれました。

旅を共にしてくれた友人たちに感謝です。

相手選びを間違うとこうなる。

では、旅行の相手選びの失敗例を紹介します。

今回は、相方さんと二人の国内旅行。お互いに初めて訪れる場所です。

残念なことに、自分にとって相方さんは一緒に旅行するには非常に危険なタイプです。(ごめんよ相方さん)

相方さんは”せっかちさん”なので予定通りに事が進まないと苛立ちます。むしろショートカットして予定より早く済まることに喜びを感じます。

じっくり観て歴史や成り立ちを想像したり空気の質感まで心に残そうとする自分と、

せっかちで如何にスピーディに行動できるかが勝負の相方さん。

「風任せの旅」の様なものに憧れてはいるらしいのですが、不慣れな土地はせっかちさんにとっての地雷が満載なのです。

出発前から嫌な予感しかしません。

何度か中止を持ちかけたのですが、行ける。とのことで決行。

性格の真逆な二人はすぐにはぐれてしまいます。

地図を確認して慎重に進みたい自分と、まるで来たことがある場所かの様に早足で自信満々に突き進む相方さん。

相方さんいついて行くと二人で「ここどこ??」となり、迷わない様にマップを確認していると相方さんはすでに遠くの方へ突き進んで「そっちじゃない!」という声も届きません。

切符を失くしたら大変だと思って電車を降りる前から用意している自分と、見事に全ての改札で切符が見つからないか、間違えたチケットを入れてゲートに行く手を阻止される相方さん。

乗り物で移動中は隣にいますが、目的のスポットに到着すると自然とバラバラに行動します。二人は同じ物を同じペースで見て回ることができないのです。それが例えスーパーであっても。離れまいと思いつつ、庭園の桜に目を奪われた瞬間に人混みに相方さんの姿を見失います。もちろん相方さんは案内ルートをショートカットして(いるつもりはないが)先に出口付近にいるので自分が後から合流します。「今どこ?」と電話がきたら待ちきれない合図です。走ります。

夜は並んで街を歩き、良さげなお店を見つけて食事とお酒を楽しみます。

心休まるひと時です。

そこから、エンジンのかかった相方さんは翌朝二日酔いになることを選び、自分は先に起きて朝の静けさに浸りながら宿の周辺を散策します。昼前頃「そろそろ起きてるかな~」と思いながら宿に戻ります。

お互いに想定内で、自分も心の準備ができている今だからこそ「よし行こう」と思える旅。

同じペースで常に行動しようとしていたら二人とも心が折れています。

全く嚙み合わないようで、一周回って歩調が合うから不思議と成り立っているのですが、

言わずもがな、じっくりタイプとせっかちタイプの旅行の相性は最悪です。

行列に並んだり、待たされたり、改札に阻まれたり、道に迷うみたいなことは、地雷を思いきり踏みまくりです。

常にヒヤヒヤしてピリ付いた緊張感と爆弾を抱えて「頼むから何も起きないでくれ」と願いつつ、疲れてくると自分も苛立ってしまう。

今回は相方さんの仕事の忙しい合間であったこともあり、旅行中(出発前から)終始苛立ち気味で、常にスマホにかじりついて観光どころではありませんでした。

心ここにあらずの状態の相方さんは、普段よりも猛スピードで突き進み、終始イラついていた気配を漂わせて自分もそれが気になりつつもどうしようもできずに「だからやめようって言ったのに」の一言を喉の奥で堪える。

旅の思い出話を語り合うこともなく家路に着きました。しばらくは思い返したくない思い出になってしまったのです。

そんな訳で、HSPを意識するずっと前の旅行が大嫌いだった自分が一瞬頭をよぎり

今までの旅の友に改めて感謝し

見知らぬ地の景色や情緒を楽しむ心の余裕がない時は、相手が何と言おうと旅行を中止する。

という、新たな「旅行前チェックリスト」を追加しました。

決して旅行の失敗談として相方さんを攻めている訳ではありません。旅を共にする相手との性格や相性は非常に大切ですが、親しい相手なら直近のメンタル状況や得意不得意な場面も考慮に入れ、中止すべき場合もあると学んだ旅行でした。

旅先での出会い。同じ趣味のひとり旅の女性

旅行は日常と違う刺激が溢れて疲れる。

見知らぬ土地に誰かと一緒は刺激が強すぎると感じる人も、とにかく人の集まるところを避けたい人もいますが、HSPに限ったことでもなく、事前準備と選択次第では快適な時間にもなります。

そのための情報を集めて、計画を立ててみるだけでも、旅行した気持ちになれるかもしれません。本当に行こうと行動に移したくなるかもしれません。自分の様に失敗を経験するかもしれません。

旅行中も自分のペースで過ごせれば、いつもと違う刺激は人生を変えるかもしれない新たな感覚に触れるきっかけになります。

よき旅の友がいたり、ひとりで向かった旅先での優しい出会いが、一生内に何度も思い出す癒しになります。

今回、夕食の席で偶然隣のカウンターに座っていたソロトラベル中の女性と親しくお酒を飲み交わすことができました。

まとまった連休が取れたので、思い切ってひとり旅に来たとのことでした。

自分はお酒の力を借りたときだけ、余計なことを気にせずに素直に会話を楽しむことができます。

これも生きづらさを減らすためにいつしか身に付けた小技の様に最近思います。

お陰でお酒が好きという共通点で偶然入ったお店の人と仲良くなることが時々あるのですが、偶然の出会いも旅の醍醐味の一つです。

同じものが好きで、同じ場所に集まる者同士、知らない者同士という壁がいつの間にか気楽さに感じて(美味しい肴と良い雰囲気のお店なら尚更)自然と会話が始まります。

次に会う事を一切気にせず、ただ「良い旅を!」と言って別れる出会いもまた 心地よいと感じます。

良くも悪くも思い出に残った今回の旅行。

旅の疲れから回復中の3日目に心の整理をしながら書き留めました。

旅行の後も回復のために休暇を確保しておくと、これはホントに大事です。