そう言えばこれ誰の言葉?明日死ぬかのように生きよ。

明日死ぬかのように生きよ。

伝記や自伝にハマっていた時期がありました。

10代後半に知ったこの言葉は、今尚心に根深く染み付いて、1日の終わりに思い出します。

後悔する様なことがあった日、小さな事でイラっとしてしまった日、ベッドに横になり眠りに着く前に「明日死ぬかのように生きよ。」という言葉を思い出して奮い起こされます。

このまま眠ったら明日は目覚めず死んでいるかもしれない。後悔はないか?と自分に問うてしまうのです。

眠る前に「ありがとう」を伝えておこう。明日目が覚めたら、そっけなくしてしまった相手の話をもう一度聞いてみよう。

今日上手くいかなかった事は必ず明日また挑戦してみよう。

こんな風に、明日死ぬかのように生きる。という考えは、衝撃的でその後の人生の行動や生活スタイルは今でも大きく影響を受け、心に刻み込まれています。

いつか訪れるか分からないが、逃れられない死を見据えて、どんな時その瞬間が訪れても後悔ない様に生きるといのは、清々しくもあります。

その瞬間は明日かもしれないし、3年後か10年後か50年後かもしれない。

この価値観を語る時、多くの人は「そんな悲しいこと言うなんて…」「生きてればいいことあるよ!」と謎に励まされて気まずくなるので、自ら話題にする事は控えています。

死に急いでいるとか人生に絶望している訳ではなく、一日一日を悔いのない様に大切に生きようという前向きな発想なのですが、死を意識して生きるということは誰もが受け入れられる訳ではないのだろうと感じます。

永遠に生きるかのように学べ。

個人的には明日死ぬ事よりも、永遠に生きる事を想像することの方が恐ろしいと感じるのです。

100歳までの生活資金、労働環境、健康、生きている限り必ず付きまとってくる不安を永遠に抱え続けるといのは耐えられない。

こんな老後の不安に襲われた時、支えとなってくれるのが「永遠に生きるかのように学べ。」

不安を忘れるほどに学び得た知識や経験は、明日より先を生きる糧となります。収入が増えたり、誰かに感謝されたり、学びに夢中になれるとメリットが大きいと実感しています。

自分の経歴に色濃く反映されいて、異業種への転職や、未知の分野の資格取得、知らないイベントや行ったことのない場所、今よりも深ぼるヒントを知人に紹介されたり誘われたら率先して試します。

なんでもやってみるのは良い試みと思うのですが、ある程度の期間本腰を入れて立ち向かっても成果が出ないなら見切りをつけて別の方向性を探す。という癖もあり、良くいえばマンネリ化することなく、新鮮な気持ちで刺激のある人生です。

あえていえば、複数回の転職や離婚歴があることは、一途さに欠けると思われるのでしょう。

しかし、個人的には今日一日を大切に生き、明日へ期待と動力源となっています。

何より、「とりあえずやってみる」実践していると忙しい。忙しいほどに何かを学ぼうとしている時は不安を忘れます。没頭し過ぎた結果、人と疎遠になることもあるのでバランスは大事かなと思います。

誰の言葉?

明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。

言葉は染み付いて、これが自分の座右の銘です!と胸を張っていえるのですが、

そう言えば誰の言葉だったかな?

と考えていたら、20余年ぶりにこの言葉との出会いのきっかけとなった自伝に再会しました。

彼の名は、モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー(マハトマ・ガンジー)

「ガンジー自伝」

ガンジーの言葉ではなく、マリア・ミッチェルというアメリカ初の女性天文学者の言葉であるとの説もあるようです。

ミッチェルさんは、彗星を発見し有名となり、女性の学問分野への参画を推進する活動をするなどパワフルな女性であった様です。日本語文献があまり見つからず、ミッチェルさんについて詳しく知ることはできませんでしたが、200年前に望遠鏡を持っている時点で只者ではない予感がします。

著書があれば是非読みたいと思ったのですが、そもそも書籍を残していないようで、唯一見つけた日記や手紙を弟子がまとめた「Maria Mitchell ; life, letters, and journals」は日本語化されていません。

どちらが先にせよ、いつ発せられた言葉なのか詳細は不明です。

一般的にはガンディの言葉とされていますが、ガンディがいつどこで?というような資料はありません。

ガンディよりも昔の哲学者の言葉を引用したのかも知れませんし、仏教の中の似たテーマの教えを今のフレーズへ変えたのかも知れません。人生、幸福、生と死、学びなどについては、古代から哲学や宗教のテーマとして語られているので、どの時代の人間にも悩むことは同じであった。と感じるところが古典文学の面白さだと思います。

「ガンジー自伝」

聖人や賢者としてのガンディではなく、生身の人間ガンディの人生が語られています。

理想を追い求める反面、人間として誰もが抱える葛藤とも戦っていたり、人間臭さが感じられ、見方によっては開き直っていた様にもみえます。

改めて読むと、ガンディを賞賛するだけではなく、賛否両論を踏まえたバランスの良い内容だなと感じました。

「獄中からの手紙」

ガンジー自伝と再会後、興味が湧いて読んだ「獄中からの手紙」

獄中から弟子たちへの手紙ということで、インド哲学や生き方について語っています。

語り口調はとても優しく、ガンディの思想と理想を分かり易く伝えています。

物に溢れる現代で、少し立ち止まって、本当に必要な物が何かを考えるとき

ガンディの語る真理に基づく生き方が、本当の幸せが何かを発見することに繋がるのではないか。と感じました。

物質的にも欲求も感情までも究極にシンプルに暮らしましょう。という内容です。毎日、仕事やSNSや流行や人付き合いで時間に追われて「もっとシンプルに生きたい」と感じる人へ究極のシンプルを提示してくれる本です。

こんな生活実践する人はいないのではないか。と思うほどシンプルを貫きますが、そのシンプルさには信念があり、一つの国を揺るがすほどの信念がこの本のバックグラウンドです。

そもそも何で獄中から手紙を書いているのか?シンプルな生活から本当に得たかったものは何か?バックグラウンドの方が気になる方は「ガンジー自伝」を読む方が楽しめます。本を読む時間がない方は映画も公開されています。

理想を目指し続ける事が最も大切

これもガンディの言葉です。

実際に「獄中からの手紙」の理想の生き方を実践できる人は少ない(もしかしたら誰にもできない)ということを前提として、わざと誰にも達成できないような理想を掲げたのではないか。と思ってしまいます。

ガンディー自伝を先に読んでいたおかげで、苦悩しながらも理想を目指し続け、それでも達成できずに亡くなったガンディの人生を考えると、とても人間らしさを感じます。

ガンディのような生き様は残せないであろうけれど、今日も後悔しないように生きよう。

というわけで、ブログ全く更新してないのを思い出し、色々挑戦したかったのにここを放置していたことを反省したのでした。