この記事はHSP(敏感すぎる人)についての感想であり、HSPの特徴や悩み、自己理解の重要性について触れています。また、HSPとの付き合い方や自己表現についても考えています。関連書籍「敏感すぎる私の活かし方」と「繊細さんの本」が紹介しています。
「もっと早くHSPについて知っていたら…」
この本にもっと早く出会いたかった。
読み終わった今、この先の人生が素晴らしく生きやすくなる様に感じる。
敏感な性格がある。敏感なことは病気ではない。そして、生まれ持った性質なので敏感な性格を治すことはできない。
世の中に正しく認知されるまでには時間がかかると思うが、別に周囲の人に知ってもらい自分を理解して欲しいという訳ではなく、むしろ自分が敏感な性格だと知ったことで安心できた。
初めて自分を理解できた様に感じた。
自分の中で長年感じていた生きづらさ「みんなと同じ様にできない」「普通じゃないのかも」「わかってもらえない」という気持ちが、自分だけではなく同じように感じ、悩み、苦しんでいた人が大勢いることに心が救われた。
本との出会い
なぜつらかいのか、なぜ疲れやすいのか、なぜひとりになりたいのか
自分でも分からず、家族や恋人、友人に何がつらいのか質問されても上手く伝えられなかった。
「普通はこうだよ」と言われて、それに合わせようとして余計につらくて体調を崩したり精神的に追い込まれてしまう自分に落ち込んでいた。
なるべく周囲の人に合わせようと無理しすぎて、うつになった。
やっとうつから回復し、うつであったことを忘れるほどに自分と上手に付き合えてるようになったが、最近バケツの中の水が溢れ出るような感覚があった。
悲しみや怒りが溢れて、疲れがリセットできなかったり、テレビの音や街の喧騒がいつも以上に苦痛に感じて苛立っていた。
このままでは、またうつに戻ってしまうかも…どうして自分の感情や疲れを上手くコントロールできないのだろう…
うつになりそうなとき、他の人はどうやって対処するのか?
”ストレス解消”と簡単に言うが、ストレスがない人なんていないし、日常にストレスの原因が溢れかえっている中で、解消なんてできないのでは?
一時のストレス解消をしたとしても、結局のところストレス解消が追い付いていないから心の中のバケツはいっぱいになっててしまう…
早くどうにかしなくては。とネットを検索したとき”HSP”が目に留まった。
”HSPとは…” 読めば読むほど自分のことだった。
HSPは生まれつきの気質であり、HSP気質の人は考えすぎてしまう傾向があり、HSPにとって苦手なことがある程度解明されていること。この本に出合って本当に救われた。
特に、人と会うと疲れるのはHSP気質の人には多いと分かったことで、自分を大切にすることに意識を向けることができるようになった。
今まで訴えても、誰にも理解されずにいた感情、苦手なこと、受け流せなくてずっと忘れられない言葉、夜ベッドの中でひとり反省会をして眠れないこと、誰かの怒りや感情的な声、大きな音やサイレンに動揺したり、テレビのニュースやドラマ、流れてくる内容に反応して、CMですら聞き流せずに涙がこぼれてしまうことなど…
自分だけじゃなかった!
本当にありがとう。弱すぎる自分に劣等感を感じて生きてきたけれど、その理由が分かって安心した。
自分には、ストレスに感じる事が人より多すぎるのだ。解消が追い付かないと感じていたのも無理もない。
敏感な自分との付き合い方
HSPや敏感、繊細なことは生まれ持った性格で病気ではないので治せない。
ずっと生きずらかった理由が分かった今、どうやってこのHSP気質とうまく付き合ってゆくか考えている。
一番の課題は「自分以外の人がいると自分のことを置き去りにしてしまう」こと
完全にひとりの時間と空間がないと集中できないし、休めない。
同じ空間にいる人が気になって、自分の優先度を下げて立ち振る舞ってしまい疲れてしまう。
”気になってしまう” だけで ”気が利く”ということではないので、大勢の人がいる場面ではどうしてよいか分からずただ混乱してしまう。
「あの人機嫌悪そうどうしよう…」「あの人困ってるどうしよう…」「あの人元気ないどうしよう…」
その場全体の空気というよりも、個々の人の様子が気になってしまい、その結果どうしてよいか分からず何もできない。
“気が利く”ように見えるのは対少人数の時だけで、どちらにせよ猛烈に疲れる。
学校やオフィスなどの人が集まった場所は、多くの人の会話や息遣い、人の気配で息が詰まるし、全く自分に集中できない。
勉強や仕事は、誰もいない朝一か夜中に、持ち帰ってできることは家でやる。
結果、自分の時間を削って仕事をすることになり睡眠不足だった。
だから休日は疲れてひとりになりたい。
付き合っているパートナーと会うこともつらい。
「疲れているから会いたくない」と言えなくて、仕事や風邪を引いたなどと嘘でも無理やり理由を付けないと断れない。
大抵は断ることにも気疲れしてしまい、恋愛を楽しめずに疲れて別れを選んでしまう。
HSPだから恋愛ができないということではなく、自分のことが分かっていなかったために相手選びの段階から少しずれていたように感じる。
疲れているから会いたくないと正直に伝えたら「俺といると疲れるってこと?」怒らせてしまったこともある。
人と付き合うことが嫌なのではなく、距離感が近くなるとひとりの時間を確保できなくなるから苦痛になってしまう。
周囲の人にカミングアウトしたい訳ではないが、せめて付き合っているパートナーには理解してほしい。
しかし、伝え方はとても悩む。
HSPという言葉を使わない様に、疲れやすい、ひとりの時間が必要なことについてタイミングがあれば小まめに伝える様にしている。
HSPじゃない人にはHSPの感覚は分からない。うまく伝えられる自信もないけれど、少しずつでも自分の生きやすい環境を作っていきたいと思っている。
「自分はこう感じるんだ。」と伝えても、「おかしいよ」「普通じゃないよ」と言われることはよくあることだった。
昔「疲れているから会いたくない」と言っらぶち切れた彼曰く、
ひとりになりたい=自分に会いたくない=自分のことを拒否された と感じるらしい。
ひとりになることを悲しいとかつらいという絶対的にネガティブなことと感じる人もいて、常にそばに寄り添ってくれるパートナーがほしいと思う人もいるのだなと知った。
誰かにそばにいてもらうことで、安心と癒しを感じるというのは自分にもわかる。
それとは別に、ひとりの時間を確保したいし、自分にとって必要なのだということは、当時は上手く相手に伝わらなかった。
彼にとってのひとりは「孤独」だった。
自分にとって「ひとり」と「孤独」は全く別物で、「ひとり」は唯一の休息だ。
ひとりを孤独と感じたり、恥ずかしいとか、かっこ悪いと思っている人は意外と多い。
今のパートナーは、ひとりで食事をしている人、散歩している人、とにかく街にひとりの人を見かけると「あの人は孤独だね」「あの人はさみしい人生なんだろな」「ああなりたくない」「あの人どう思う?」などと聞いてくる。
超絶おせっかいだし、どうでもいいじゃないか!と思っていたけれど、これはチャンスかもしれないと思い、
彼が見つけた「ひとりの人」について質問してくるたびに、自分なりのひとりの楽しみ方を伝えている。
ひとりで食事、買い物、公園、美術館、水族館だって一人の方が快適に楽しめる場合もあること、
ひとりでも、ドラマ・孤独のグルメの井之頭さんの様に、心の中でテンションが爆上がりしたり、深く考察してみたり、目の前の何かに没入して楽しめること。
そこに寂しさはかけらもないことを伝えている。
しかし忘れたころにまた、ひとりの人を見つけて同じ会話になるので彼の中では「ひとり=孤独=さみしい」のイメージは変わらないのだと思う。
彼の考えを変える必要はないけれど、自分がHSPと知ったおかげでこんな会話もうまくやり流せている気がしている。
伝わらないのは仕方ないと少し気楽に考えられる。
以前なら、相手が怒ったり、おかしい!と言われたら、本当に自分がおかしいのかも知れないと思いかなり落ち込んだものだ。
自分のことを正直に伝えるのは難しいけれど、分かってもらえないのは仕方ない。
だって、この感覚を知らないのだから。
時間はかかりそうだけれど、生活に些細な変化が起こることを期待している。
「敏感すぎる」と「繊細さん」
きっとこの二冊は私の人生を変えてくれると思う。
あっ!自分これだったんだ!っと感じた瞬間の感動が忘れられない。
敏感や繊細な性格でも自分らしく生きてきたタイプの人と、なんだか他のみんなと違う自分に困惑し、自分に劣等感を感じて生きてきた人とでは、これらの本の受け止め方は全く違うのかもしれない。
HSPとは…と書かれた内容ひとつひとつは、きっと多くの人に当てはまるような小さな事だと思うし、時と場合によってはHSPかどうかに関わらず全員に当てはまる。
読み終わって「だからなに?」と思えたならきっと健全だ。
おそらく、前者とHSPではない人にとっては、どちらの本でも多用される「HSPの人にとって」「敏感な人にとって」「繊細さんにとって」といった言葉が一々鼻につくのではないかと思う。
この2冊の本と出会い、HSPとは何かを知って自分との向き合い方を考えなおすきっかけになった。
HSPや繊細な気質について知った今、自分に劣等感は感じない。自分は自分のままでいい、なぜならそういう性格だからと開き直れる。
人に合わせることを頑張りすぎる必要もないし、無理と思ったら避けていい。ホッとして涙が溢れました。
敏感で繊細で面倒くさい自分の、得意なことと苦手なことを理解して受け止める心の準備ができた。