働きがいってなに?働きがいのある仕事がしたい

働きがいって何なのでしょう?働きがいのある会社ランキング?もしかして最近は、働きやすさだけでなく働きがいも会社が用意してくれる時代なの?仕事のやりがいについて古典から考察。

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「やりがいのある仕事がしたいんだよね」

そう語る友人は、派遣社員として3年以上同じ会社に所属しています。社員になりたいけれど、今の仕事にはやりがいを感じない、やりがいのある仕事がしたい。と語っていました。

「確かに、働きがいはあった方がいいよね」程度のふんわりしたイメージで聞いていましたが、何かずーっと違和感が残っていました。「働きがいのある会社」「働きがいのある仕事」とはなにか?

アランの幸福論の一文を読んだとき、働きがいとは、誰かが与えてくれる(外からやってくる)ものではなく、自分の中で生み出すものだ。という答えに辿り着きました。

アランの幸福論とは

世界三大幸福論の一つアランの幸福論。

初版は、1925年

当時新聞に掲載されていたプロポと呼ばれるコラムの様な短編なので、目次から気になる章を選んだり、気の向くままに開いたページを読んでも読んでも良いため気楽に読める哲学書。

就寝前に軽く読めます。

仕事が楽しく感じるときはどんな瞬間?

仕事に対するやりがいとは何だろうと考えたとき

仕事が楽しくて、毎朝会社に行きたい!帰りたくない!と思う状態が「働きがいがある」という事だと考えていました。

実際、職場が好きすぎて自分の休みの日にも職場に顔を出す人や、会社が休みなのを忘れいつも通り出社してしまう人、残業する仕事があるわけでもないのにいつまでも帰らない人を見てきたので、会社が好きなんだろうな。程度に思っていました。

自分は真逆で、休みの日には職場に近づきたくないし、毎日の通勤も苦痛でした。

ただ、今思い返してみると

職務内容に退屈やマンネリを感じることはなかったし、入社したての頃の自分と比べて日々できることが増えていき、徐々に仕事をこなせていく感覚は楽しんでいました。

自分なりに働きがいを感じていたと思います。

じゃあなぜ辞めたのか?

労働と収入が見合わないと感じる時が来たから。働かなくても暮らせる一定層を除けば、働く目的は収入を得るという経済的な理由のはず。労働の対価(収入)が少ない。これもやりがいが見出せない理由の一つに当たると思います。

いくら仕事で頑張っても生活が豊かにならないなら、仕事にやりがいなんて感じられません。

正直に「生活が成り立たないので辞めます」と伝えて、じゃあお給料上げます!なんて言ってもらえるのは、直属の上司が社長の時だけです。そしてその先には、給与が上がってもブラックな長時間労働は変わないまま、身体を壊して働きたくても働けないという末路が待っていました。

それはさておき。

暇だろうが、忙しかろうが、やりがいを感じないと不当に拘束される感覚や無駄な時間を過ごしている感覚が湧いてくるのは自分だけではないと思います。

では、自分の仕事に働きがいがあると感じるためには、どうしたら良いのだろう。

アランの幸福論の中に、そのヒントがありました。

どうせなら働くなら楽しく働きたい

やらされている感・我慢して働いている感覚を抱きながら働きがいをあるのは難しい。

「この労働時間と給与では私の我慢と見合わないので、お断りさせて頂きます」

といってで採用を断られたと話す社長がいました。この人にとって、仕事とは、我慢。苦行に耐えて報酬がを得る行為なのでしょう。

社長は、仕事の時間を我慢の時間と考えている事に非常にショックを受けていた様でした。

この社長は仕事大好きタイプの方だったので、仕事=苦行に納得がいかない様子でもあり、採用を断られたことをまるで自分が否定されたかの様に落ち込んでいました。

個人的には、この採用を断った人の考え方や理由をストレートに伝えたことも割り切っていていいなと感じたのですが、毎日の仕事時間、睡眠以外の1日の半分以上の時間を苦痛として耐えて生きるのは、働きがいどころか生きづらさを感じないのだろうか心配になります。

どんな仕事にやりがいを感じるか、苦痛に感じるかは人それぞれ。

大量の仕事を黙々と捌くことが得意な人もいれば、顧客や従業員、人を手際よく捌くことが得意な人もいます。

他者に評価されることでやりがいを感じるタイプや自分自身の成長や目標の達成、報酬アップをやりがいと感じるタイプもいます。得意なことをしているとやりがいを感じるというのは納得がいきます。

50年前の人も悩んでいた「働きがい」

自分のできる事の中で、試行錯誤して仕事の結果に繋がったという手応えを得ている事。

アランの幸福論には、仕事のやりがいについてこんな感じに書かれています。

それがどんな仕事なのかどんな瞬間なのかは、自分で探し出さなければならないのです。

そう考えがまとまりつつあった時「うちの会社やりがいあります!」みたいなPRや、働きがいのある会社ランキングを目にしました。

福利厚生が良いとか、スキルアップを応援してくれるとか、成果と報酬がつながりやすいとか、社員の人柄が良いとか。

働く場所を選ぶ判断基準としては、とても良さそうです。でも、それって「働きがいありそうな会社」ではなく「働きやすそうな会社」ではないのか?

初めはかなり違和感を感じていたのですが

いや待てよ。これって昔からある定番なのでは?と感じました。

有名企業・評判の良い会社に勤めるということにステータスと働きがいを感じる

これも一つの選択基準なのだろうと考え直しました。ランキングにしているあたりが、このニーズにピッタリです。

当初は、働きがいを売りにして求人をするのは怪しげに思えました。「フレンドリーな会社」「アットホームな社風」はもはや、ワンマン社長が家長の様に存在し、従業員は家族や兄弟として思いっきり年功序列がありそうなイメージがあります。これと同じ危険な感覚を「働きがいあります」と自称している会社に感じたのですが、思い込みは良くないなぁとは思いつつ、実際働いてみないと分からないよね。

合わなければ転職すればいいのだから。というのが自分の結論です。

一つの会社に長くいることを最善とする風潮が変わりつつある現代、本気で自分が働きがいを感じられる仕事を探すのも人生の目的の一つするのも良いのではないかと感じます。